梅田みずたばこ巡り

連休の間梅田で水タバコのお店を3つ巡りました。

水タバコは9月に静岡の浜松にある水タバコ店に連れて行ってもらいそこで初めて吸ったのですが、あの謎にソフトで煙に味がある感じにハマってしまい、その時一緒に行った友達と今度は大阪でも行こうということで、数人入れる大きさの水タバコ屋さんを探そうということで下見的な感覚で何件か廻りました。ざっくりメモ程度に感想をまとめておこうと思います。※一部感想に罵詈雑言多く含まれるので店名等は控えさせていただきます。※あくまで個人の感想です。

1軒目

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ファッキンサブカル!!
金持ちのガキが自分探しで大学時代中東とかそこそこ遠くて安い値段で行ける異国をぶらぶらした結果なんかの拍子でシーシャに出会いなんとなくその店をクソ安い大阪の街はずれのボロ屋借りてやってるだけという感じのなんのポリシーも感じないゆるい店!

サブカル大嫌いなので入った瞬間そのヌルマ湯感に思わず頭の中の張本勲が暴れ出し一呼吸1000回の「喝」が脳内に轟くシーシャを吸ってリラックス~という余地もないゴミ店だった!!本当に今思い出しても喝!大学生が大学生のために大学の学祭でやってるテキトーにボロいテントにブルーシートかぶせたような店より質が悪い!本当に喝!シーシャ吸って頭おかしくなってるのか単純にもとから頭がおかしいのかわからないがこの店のある区画の部分の土地だけ東京都に買ってもらい東京オリンピックで使ういらないカラーコーン置き場にするためにブルドーザーでただちに更地にしてもらいたいと思うほど吐き気がした!良いところはないが強いて言うなら周りがバカばっかりなので優越感と余裕を感じながらシーシャを味わうことができる。しかしバカに囲まれる不快感と嫌悪感の方が上なので結局中にいればいるほど評価はマイナス!これなら店の外で悲惨な店内の光景を眺めながら紙巻タバコを一本吸った方がよっぽど有意義な時間を過ごせると断言できる!本当に今必死に良いところを思い出そうとしているが店の細かいディテールや客や店員の様子を思い出そうとすればするほどブチ切れそうになる。大阪の気持ち悪いサブカルのすべてが集結した忌むべき店!不幸の塊のような闇のオーラが細木数子の痰のように蓄積している。間違いなく一歩足を踏み入れただけで地獄に落ちる店。

雰囲気:電信柱の上にあるムクドリの巣の方がマシ
コスパ:1ジンバブエドルでも損
店員:湯川さんに似てる
良い点:周りを見下せる 世の中にひどいものがあることを学べる バカの生態を観察できる
悪い点:エクセルの行と列全部使っても悪い点をすべてあげられないくらい悪い点が多いところ

2軒目

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地中海料理屋さんがシーシャも出しているという感じの店。
店は阪急東通り商店街から少し折れて大東洋に出るまでの道のはずれにある。
単純に上の店より店内は清潔にしており謎のエスニック系のトランス音楽がガンガンにかかっていてサブカルというよりはポリシーをもってこういうカルチャーが本当に好きな人がやっている店という雰囲気があり店内は狭いが掃除も行き届いているように感じた。
しかし残念なのが比較対象が1軒目にいった店しかなくその情報を片手に比較することしかできなかったので正直「すべてが上」くらいしか言える言葉がない。もっと水タバコに詳しければ種類とか味とかにも詳しくいろいろ書けたと思うが、とにかく入った時最初に感じたのは「いや、やっぱりまともな店はまともやんけ!!」という誰宛でもない怒りと、「もしこの店にもアレなところがあったらどうしよう」という不安だけだった。その不安は店内でしばらくいるうちにだんだん解消されていった。

シーシャのメニューはだいぶ年季が入ってボロボロだがかなり詳しくシーシャの紹介文が書かれており、テキトーにワードで作ったような1軒目の店のメニューとは雲泥の差だった。また料理店ということで店を出る前にはかなり良い匂いも厨房から漂いつつあった。ご飯を食べながらシーシャも吸えるという意味で、これを両方一度にやりたいという時にはかなり強い選択肢になり得ると思う。
シーシャの味は静岡で吸ったものよりもマイルドで味が濃い印象だったが、これは吸ったシーシャの銘柄にもよるのかもしれない。席が二回だったので炭替えるのめんどくさいし強めに炊いとくかーということだったかもしれない。店員のお兄さんはいかにもそういうの好き系だったが結構ノリが軽く常連ぽい女の人とコンドームがどうみたいな話をして笑っていた。そういう部分は1軒目の店の店員とそんなに変わらないものを感じた。

雰囲気:中東的というより地中海的。そこまで民族感はない。シーシャいっぱい並んでる
コスパ:銘柄によって違う
店員:バックパック背負ってインドにいそう
良い点:お洒落 そこまでイケイケ感もサブカル感もない
悪い点:悪い点は特に見当たらないが、常連さんの質はあまりよくないかもしれない

3軒目

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「窪塚洋介来店!」「店長26歳趣味タトゥー」とか書かれていていやこれ一番やばいだろ、と思っていた店。しかし東京には何軒かある店のチェーン店ということでビルの7階にある店は思いの外店員さんの服装や接客も一応のプログラムというかそういうきちんとしたフォーマットがある上でやっている感じがして、店内も客席の間隔やソファのリラックス感も良く思いの外しっくりきた店。

店の壁には窪塚洋介のサインがあり、ビルの7階にある店なのだが、窪塚洋介はこれよりも1F高いところから飛び降りて無事だったんだなあと思うと改めて窪塚洋介のポテンシャルの高さに胸が締め付けられる思いがする。さらにノースビレッジという窪塚洋介の自伝などを出す出版社がやっている店らしく店内には出版社の著作、主に窪塚洋介の著作が並んでおり、生まれて初めて新品の『放尿』を手に取ることができ目から尿が漏れそうになった。

そしてなんだかんだ軽いタッチで文章を書いているが、店内に流れるノリノリのタイのポップスを普通に口ずさんでるやばそうな店員さんに「おまかせで」と頼んで出てきたシーシャはいろんな果物をミックスしたすごく良い感じに甘い味わいで正直今の所ダントツで一番おいしいなと思った。またこのお店は唯一店員が二人で下ネタ話しをするのではなく(めっちゃ好きそうだけど)新しくできたシーシャの容器を海外から取り寄せるかどうか、みたいな真面目な話をしており、店内すべてにみなぎるチャラチャラした空気はおいといて全体的に非常に好感がもてた。日曜の18時から20時という時間帯ももしかしたらかなり良かったのかもしれない。

雰囲気:暗くてLDHの事務所ってこんな感じなのかなとちょっと思う
コスパ:オープンしたてらしく良心的
店員:BGMの曲を接客しながら歌ったりして少しこわいが悪気はないのだと思う 良い人感がある
良い点:窪塚洋介のサインが書いてある
悪い点:店内にメニューがない 店のHPにもメニューがない インスタグラムにしか金額書いてない(でも聞いたら教えてもらえるし丁寧に説明してもらえる) 若干店内に窪塚洋介テイストが強すぎるので、窪塚洋介ニストではないとむせる

アムウェイ無情。

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※企業名に◯をつけ忘れてしまったので、頭の中でいい感じのところに◯をつけてお読みください。
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京都四条大橋前某喫茶店某フロア。

2対2のタッグマッチを繰り広げるアムウェイに遭遇。

アムウェイ社員2人組(自称25歳女、上司)と、
何かしら買わされ大量に自宅に送りつけられることになった大学生男子(タクロー君・仮名)とその母という構図。
どうも自宅に大量に何かが届くことを察した母が息子を問い詰め、返品を求めアムウェイに直談判という流れになった模様。
タクロー君はすでに消耗品などいろいろ買わされている様子。

「契約書はどこにあるんですか?」

「契約書は商品と同封です。Amazonと同じです。」

「それは領収書ですよね??私が言ってるのはそもそも商品を買うという契約の書類ですけど!??」

などと怒れる母が一方的に攻める展開が続き、超おもしれーと思っていたら、旗色が悪いと思ったのかあっさり返品を了承するアムウェイ。

しかし、そこから謎展開がスタート。

タクロー母のまくし立てた、

「商品が多すぎる」「家に一気にきても置き場がなくて迷惑」

という言葉を逆手に取り、

 

「家に大量に届いたらタクローさんも迷惑だと思うので、

1. 荷物を佐川の営業所止めにし、

2. 来週タクローくん本人が手の空いてるアムウェイ社員(トクナガさん)の運転する車で荷物を取りに行き、それをそのままアムウェイの事務所(東山のたこ焼き屋の横にあるらしい)まで運び、そこで1つ1つ返品処理する。

のはどうでしょう?」

という謎提案を提示するアムウェイ。

「は?」と思って聞いていたら、さらに、

返品に必要な用紙が商品と一緒にダンボールに梱包されているので、1つ1つそれを取り出して書かないといけないんですよ〜。」

とか言いだす。1個の商品を買う契約を30回連続でしたわけじゃないだろと思うし、ならお前らが全部開封して直接タクロー君家まで持ってって、そこで全部記入してもらえばいいじゃないか(そしてそれを全裸で土下座しながら待ってろ)と思うが、それを聞いたタクロー母は、

「1つ1つダンボールを開けないといけないんですか?」とやや見当外れなツッコミ。

「いえ、私も現物を確認していないので、側面に貼ってる場合も様々あるんですけど〜」

などと笑顔で知りませんアピールのアムウェイ女。焼肉でカルビばっかり食べてそうな顔をしている。しかしどのみちお前らが持って来れば済む話な点は変わりはないだろ、と思うが、タクロー母は返品書類が1つ1つのダンボールに入っているという点、それを(なぜか)本人がアムウェイ社員と一緒に開封して記入しなくてはならない点にはなぜか納得してしまっているらしく、ならいいです的な感じでずるずると話はタクロー君が直接アムウェイ社員と佐川の営業所まで荷物を取りに行き、一緒にアムウェイの事務所に運んで返品処理する、という方向で進んで行く。

そして、

「営業所止めは佐川に連絡しないといけないから、番号を教えてくれる?」

といってタクローくんに佐川の伝票番号を調べさせ、その場でいきなり佐川に荷物を止めてもらうよう連絡を入れるアムウェイ女。その口調は思いっきり慣れているので、先ほど「返品される方あまりいないんですけどー。」とか言ってたのが嘘だということが完全に判明したが、これにもタクロー母はツッコまない。どうやら母は返品はできる、ということにもう安心しきってもう使命を果たした感に包まれてしまっている様子。タクローはというとずっと「俺は買うって言ったんですけど母が・・・」みたいな顔で終始アムウェイ女に申し訳なさそうにへこへこしている。こうして無事連絡が終わり、荷物を人質に取ることに成功したアムウェイ。母は今日姫路から出てきてタクローは丸太町に1人で住んでいるらしい。足労をねぎらうアムウェイ。もう今後の展開が完全に読めてしまったが、両者の話はもう少し続く。今度は

「いろいろ手続きがややこしいので完全に終わるまで3月いっぱいまでかかるかもしれない。」

とそれまでアムウェイ女の横で押し黙っていたアムウェイ上司が平然と言い放ち、それにも何もつっこまないタクロー母。今日何日かわかってんのか?どんだけ仕事できないんだボケ!!さっきクレカの取り消し期限が4月5日とかわけのわからないこと言ってなかったか?すみません遅れました〜返品ここまでしかできませんでした〜で済む相手だと思ったってことか?どうせクーリングオフ期間過ぎるまでの時間稼ぐことしか考えてないんだろクソ女クソ上司死ね死ね、たとえアメリカの本社に商品を返送しその確認手続きが必要であるにしろそれはそっちの仕事だしe-bayで買ったCDすら10日あれば届くんだから今時海外に商品送るのにそんな時間がかかるわけがないだろバーカつーかそもそもそんなアムウェイが金儲かる商売ならコーヒー一杯220円の学生が自習しにくるような喫茶店なんかに連れてくんじゃねーバーカここならどーせ周りも学生のアホばっかで誰もつっこまないってかアホ全部ブログに書いてやったわ死ね死ねバーカ。などと罵詈雑言が脳内を駆け巡るがここはドトール。周りの学生は皆静かに自習しているので僕も声をだすわけにはいかない。というか他の客みんな平静を装いながら猛烈な勢いでスマホをイジっている。無償でみんなに素敵な話題を提供してくれる大会社アムウェイ。完全にナメられるタクロー君親子。

おそらくタクロー君はアムウェイ女にアムウェイ仲間を紹介されたり一緒にパーティーに連れて行ってもらえたりして人生最大級の喜びと満足を感じその空間と思い出が楽しく恋しく忘れられないものになっていて、そんな空間に自分がいられなくなる未来を自分で作ってしまうことが怖いのだろう。焦った様子で「こ、これからも友達ではいてくれますよね?」とアムウェイ女に尋ねるタクロー君。そして「もちろん!月に2回くらいだったら会ってただお話とかもできると思う!仕事忙しい時は無理だけど!」「いつでも連絡してね!こっちからはしないけど!」「アムウェイやめてからも友達では居続けよう!」などと浪花節の結晶のような返事をくれる天使のようにやさしいアムウェイ女。一生「アムウェイ、実はネズミ講じゃない説」を唱えながら逆立ちして自分の小便を飲み、うんこだけを食いながらなんでこのうんここんなにおいしいんだろう??と目を輝かせて疑問に思いながら窒息死してほしいと切に思った。

 

そして返品という要望が通って母も息子も安心したのか、とげとげしいムードが徐々に和らいで場の雰囲気はだんだん打ち解けた雑談ムードになっていき、アムウェイ女を見て、「タクロー、こんな子が好きなのかしら?」という様子で、わざわざ来てもらってすみません、若いのに大変ねえ、とか愛想を言い出すタクロー母。そんな部下と親子のやりとりを横目にふぅ、終わったぜ、晩飯王将でも行こっかなーみたいな顔で虚空を見上げているアムウェイ上司。なんだかんだで話は、

1. タクローが直接アムウェイ社員と一緒に自分が返品するはずのアムウェイの荷物を取りに行ってアムウェイの事務所まで運ぶのを手伝い、アムウェイ社員に囲まれながらその場で返品手続きをする。

という地獄のようなことだけが決まっただけ!!何の話し合いだ!!タクローもタクローで騙されてるんじゃない!!タクロー母も一息ついたこれで安心ねみたいな顔してるんじゃない!!ほどなくして4人は解散。

帰り際あまりに話の終わりがアレだったので思わず僕も立ち上がり、去りゆく2人の後を追いかけ声をかけようとしたが、近くで見るタクロー親子の貧乏母子家庭なしみったれた感じ、タクロー母の弁当屋でパートして毎日元気に唐揚げあげてます!的ないろいろ染み付いてる感じの雰囲気に「あ、これはこれで関わったらアレなやつだ・・」と瞬時に察し、そのまま声を落として駅の方へ歩いていくかすれた上着姿の2人の背中を見送った。そんな2人と「私まだ25歳なんですよー!」と嬉しそうに語る、人蹴落として生きてきたんやろなあ、という顔のクソブスアムウェイ女のピシッとした黒のスーツとの間に、民主主義の真骨頂を垣間見た気がした。おそらく来週タクロー君はアムウェイ社員と一緒に佐川の集配所に本来自分が買う必要すらなかったであろう荷物を取りに行き、その車中、事務所に行ってからの長い時間をアムウェイ社員との「ねえ、とりあえず半分だけ返品して様子見ない?」的なやりとりに費やされ、結局何個か買って母に内緒でこっそりいつまでも隠し続けるのだろう。偉大でスーパー便利でサイコー使えるマジ神商品のはずのアムウェイ産の何かはその真価を知られることなく押入れの中で眠り続け、あるいは「やっぱり使ってみるとアムウェイ商品はとても便利でぼかぁ幸せだなあ(加山雄三)」的なことになって、やがて苦い青春の思い出の1ページにその名を刻むことになるだろう。アムウェイ女にスルーされ傷ついたタクロー君の心を癒してくれるのは大川隆法だろうか?それとも他の新興宗教?あ、アムウェイか!ごめん存在忘れてた〜!

神様はいないし、バカは救われない。アムウェイはどうせなら幸せを販売しろ!!あ、販売してるのか!!だからタクロー君みたいな人が騙されるのか!!そしてそれがダメって話か!!でも幸せってなかなかお金で買えないから買える時に売ってくれるとこから買うのって将来に対する立派な自己投資だと思うんだけどな〜今時なんでもプライスレスとかいう言葉でごまかされる時代幸せをそのまま値段つけて売ってくれるアムウェイってやっぱり商売のプロフェッショナルというか真のネットワークビジネスって感じがしてやっぱり最高!!アムウェイのことネズミ講だと言ってバカにする人や頭ごなしに否定する心を閉じた人が多いけどやっぱりアムウェイで成功した人とか見てると純粋に憧れるしやっぱりあのような成功が待っている以上安易に否定するのはどうかと思うなーごめんなさいやっぱりアムウェイは最高です!!アムウェイ最高アムウェイ万歳!!アムウェイエターナルアムウェイフォーエバー!!

(この通りこの記事はどこからどう見てもアムウェイを絶賛している記事です。どう考えてもアムウェイを批判している内容ではない(特に後半)ので、このまま公開させていただきます。罪なき一般人を騙し、弱い人間からお金と喜びを奪うアムウェイは資本主義の象徴であり、断固唾棄すべき存在です。1人の人間として心の底から滅びればいいと思います。タクロー君一家のそこそこの幸せと、アムウェイ女のゲロの海に沈むような不幸を願います。おわり。)
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初春文楽公演レポ

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あけましておめでとうございます。

1/15に国立文楽劇場の初春文楽公演に行ってきました。文楽を観るのは初めてだったのですが、正月3日京都八坂神社の初能奉納を観に行き、いい感じだったので今年は伝統芸能をいろいろ見る年にしようと決め、ネットで値段などいろいろ調べているうちに文楽は一等と二等の席区分があり、二等だと2400円とかなり安価に見れる、ということがわかったので、主にその理由だけで地下鉄堺筋線日本橋駅へ向かいました。
公演は昼と夜の二部構成なのですが、チケットは各部ごとの販売になっており、通しで見ると4800円。それでも一等席の一部料金の6000円より安いとかなりお得です。席は全部で19列あり、二等席はその最後尾の18列目と19列目に当たります。

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先にチケットを二部とも予約して行ってもよかったのですが(インターネット決済とかフツーにあります。発券機は1台しかありませんでした)、上のタイムテーブルを見てもらえばわかる通り、各部がかなりの長丁場です。特に一部は4時間半もあり、まずそれだけの長さ退屈せずに見れるか不明だったのと、2日前に予約してもまだ席に空きがあったのでとりあえず一部だけ買うことに。劇場のチケット売り場前の掲示板では一部の入場開始時点でまだ二部の当日券があるようだったので、おもしろかったら休憩中なんかに二部のチケットを買いに行こうと思いとりあえず入場。

文楽劇場は3階建ての建物で、1階にいい感じの値段の喫茶店や展示室があり(DIY精神に満ちていた)、エスカレーターと階段を上がった2階に劇場と弁当売り場、休憩場が設けられている感じでした。3階には小ホールと資料室があるようですが、今日は閉まっていました。
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劇場ホール内。二等席(18列目)から見た舞台はこんな感じ。手前の17列目でもう一等席で、そこは特に通路を挟まれてる的な違いはなく、この数十センチに3600円の差があります。しかし二等席は人形の顔がギリ見えないというか、顔は見えるけど表情は微妙にわからない、という距離感だったので、もしかすると17列目はそういうのが絶妙にわかり、かつ舞台全体を見渡せるみたいな距離感なのかもしれません。この後通い慣れた雰囲気の和装の帝塚山マダムな方々が座っておられました。

また、上では触れてませんでしたが、タイムテーブルで公演が演目ごとに分かれている通り、その演目だけを見る幕見席という座席も劇場の左右に配置されていて、インターネット予約はできないのですが、だいたい1000円くらいで演目だけを見ることができ、とても便利なシステムだなと思いました。

劇場の広さには少し思うところがあって、これは感想の一部でもあるのですが、なんだか広すぎるな、ということ。見てわかる通り舞台は人間が演劇をやってもおかしくないというか、まさにそのこともメインに考えられたような広さになっていて、そこに人形が動き、ということになると、なんだか書割が妙に大きすぎるように見えたり、写真左の見切れている部分に太夫と三味線の人が座るスペースがあるのですが、太夫の人も声いっぱい張り上げないと音が響かなかったりと、はたして文楽というのはそもそもここまで広い舞台で見るものなのかな?という疑問はかなり感じました。これは「文楽でこのホール満員にすんぞ!!」という気合いで作られたのか、それともいろんな演目やるなら文楽に特化したホールじゃない方がいいよな、という配慮なのか、それともただのオシャレ感なのか、なんなのかはよくわかりませんが、劇場内各所に設置されている「これ文楽と関係あるのか?」としか思えないバブリーな謎の彫刻同様、作られた当初の時代の雰囲気のようなものがよくでていました。鑑賞中も二等席だということも相まってか薄いフィルター越しに水族館の珍しい魚を見ているようなそんな気分で、とにかく劇場の広さにはなんか、伝統芸能とか言ってる最前線の劇場がこんなのでいいのか?という思いをかなり強く感じました。1階の展示室では昔道頓堀に朝日座という劇場があった、みたいなことが書いてありましたが、果たしてそこはどのくらいの広さだったのでしょうか。きっとここまでばかでかくはなかったはずなのですが・・。お客さんも結構入っているはずなのに、劇場の広さで空いているように見えるのもなんだかなあと思いました。なにぶん文楽鑑賞が初めてのにわかなので、これも前の方の一等席で鑑賞なんかすればころっと変わるのかもしれませんが、とにかくそれは唯一ショックを受けた点でした。最前線の劇場がそんなに良くなさそうという・・。ネガティヴな感想は以上です。

 

【第一部】

『寿式三番叟』
30分ほどの演目。3日に八坂神社で見た『翁』は最初翁が舞って、その後仮面をつけた黒い人(にじみでるにわか臭)が踊る、という構成でしたが、こちらは翁っぽい人が踊った後、能にはいなかった若い二人の人形がひたすら踊りまくる、という構成です。二人はそれぞれ曲に合わせて踊りまくるのですが、どんどん疲れてきて、一人がへたりこんでるのをもう一人が励ましあったり、片方に踊らせて自分だけ休んだりしてわりとコミカルに進んでいきます。人形の舞台の後ろでは二段に分かれて三味線と太夫の人が並んでおり、音楽も壮観です。文楽の人形使いの人はあくまで人形使いに徹していて、空気のような影のような存在かと思っていたのですが、ここでは黒子の人が疲れた人形の汗を拭いたりしてあげていて、あ、そういうノリなんだ、という発見があっておもしろかったです。あくまで人形を支えている人というか、人形が演技しているのをそばで見守ってる人みたいな感じなのでしょうか?いずれにせよ二等席なので人形の表情までは見えなかったものの、遠くから見ると人形が本当に小さいただの人に見える瞬間があって、あ、文楽イイな、と思いました。

この演目の後30分の休憩に入り、一部の終演の3時半まで休憩らしい休憩はないので、昼食は必然この時間にとることになります。飲食物は持ち込み自由?らしく(ネットで調べたら黒門市場で弁当買ってきて食う、みたいな話もあり)、半券があれば再入場も自由なので劇場前の信号を渡ったところにあるコンビニとか、近くのうどん屋とか飲食店でご飯を食べることもできるのですが、開場前に歩いてみた感じでは距離感が微妙に30分で間に合わない感じだったので、無難にホールの出口横にある売店のサンドイッチ(620円)を選びました。このサンドイッチがおそらく館内の弁当では一番安く、売店では他にも押し寿しなど様々な弁当が売られていましたが、どれも1500円などまあまあ良いお値段がします。1階の喫茶店もうどん・そばのセットが1500円とか、コーヒー470円とかそんな感じで、祇園の観光客向け喫茶店に迷い込んだような雰囲気でした。上のサンドイッチが売っていたホール横の売店では300円でコーヒーも売っているのですが、熱々でなかなかおいしかったです。

 

『奥州安達原 環の宮明御殿の段』
昼食を終え、時間通りぴったりに始まった演目。上の三番叟はいわば「能で知ってるやつ」だったので、ここからが本当の初文楽でした。この初春文楽公演を終えて初めて知ったのですが、文楽というのはどうも、一つのストーリーを丸ごと上演する、というのは少なくて、何かの話の一段(章分けのこと)だとか、そういう部分部分を上演することが多いようです。能とか狂言だと話は一本ですが、文楽は一つの話が複数の段に分かれていて、例えば『奥州安達原』は全五段で、この「環の宮明御殿の段」だけで約100分の長さがあります。全部の段が同じくらい長いわけではありませんが、そんな感じで全十段とかある話をやろうとすると、長すぎて一々全部上演していられない、という話になります。そんならみんなの知ってる美味しいところだけやればいいじゃん、という発想なのでしょうか。江戸中期から始まったらしいこのような上演形式をミドリと呼び、全段通しで上演することを通し狂言と呼ぶそうです。

で、『奥州安達原 環の宮明御殿の段』、始まり舞台が開くと同時にはらはらと雪が降り、その演出にまず、文楽ってそういうところまでやるんだ、と衝撃。人形を動かしているという時点でかなりそういうリアリティみたいなものはどうでもいいと思っているのかなと思ったら、そうではなくちょいちょいリアルな表現を取り入れています。そこは能や狂言とは違って、ちゃんと物で見せて表現するんだ、ということなのでしょうか。ストーリーはかなり悲惨で、複雑な人間関係の下、最後は自害祭りみたいになるのですが、前段見てないからわかんないんだよなーという部分もあるものの、思ったよりすんなりと見ることができ、最後らへんの親に勘当され浮浪者となり盲目となった娘が年老いた両親に会いに行き三味線で身の上とか思いを弾き語りをして、父親に思いっきり「いや、会わねえよ!!」と門前払いされるあたりとかはあまりのかなしみの深さにかなりぐっときました。正直日本の歴史とか平家物語とかはどうでもいいので、そのあたりはまあ昔はそんな人もいただろ、それが何なんだ?という感じでしたが、こういうストーリー形式で見せられることで、そういう世界にもいろんなことがあったんだなとわかるというか、自分の中のそのあたりの時代に対するイメージに吹き積もっていた埃が少し晴れたような、そんな光がさしたような気分になりました。悲痛な場面での太夫の方の語りも素晴らしく、YouTubeとかで見ると地獄の単調さに聞こえる義太夫も、こうして生で聞くとこんなに感情あるオペラ的なものに聞こえるのかと、そういうことが理解できたのも収穫として大きかったです。

 

『本朝廿四孝 十種香の段/奥庭狐火の段』
これも歴史物で、登場人物は武田勝頼と上杉謙信、etc。上杉謙信の下にスパイで潜入した勝頼が、結婚相手の謙信の娘に再会などするも、思いっきり身元がバレて追っ手をけしかけられたのを、謙信の娘が祈祷することで現れた狐火に助けられ、なんとか逃げ果せることができた、というあらすじ。これは各段とも30分程度の演目でしたが、謙信の娘と勝頼が再会して招待が明らかになっていくくだりとか、謙信の娘の祈りで無数の狐が現れるシーンなんかが舞台的に見てておもしろく、きっと通しで見たらもっとおもしろいんだろうなあ、という印象。思いの外ポップでマンガ化されてもおかしくなさそうなあらすじで、日本人のこういう物語に対するツボって変わってないんだな、という。南総里見八犬伝とか、河出文庫から出てる古典新訳物を買って読もうとして挫折したことがこれまで何度もあったのですが、もしかするとこういうものはこうした形で見るのが一番手っ取り早いのかもしれません。

ここで一部が終了。なんだかんだで話の切れ端だけ見せられてもっと見たいというフラストレーションが溜まっていたのと、どうせなら後日にもう一度ここに来るより今日ここで見てしまった方が交通費が浮く、という貧乏人根性により、まだギリギリ売っていた二部の二等席当日券を購入。『染模様妹背門松』も鑑賞することに決めました。

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【第二部】

『染模様妹背門松』は先の歴史物的な二作と違い、世話物、江戸時代の風俗を描いた作品になっていて、世界観がガラリと変わり一気に下世話に、というか新喜劇的な馴染み深いものになっていて、まずその落差と、一気に大阪の文化!って感じがしてきたことに驚きました。話は通し狂言ではなく、どうも見ている感じでは前半の「油店の段」の前あたりに何かストーリーがあったような感じなのですが、質屋の娘のお染とそこに奉公している久松という丁稚の恋物語になっていて、お染の婚約者(頭が回るし金も持ってる名家のやり手)に関係がバレるわ、子供ができるわ、親にもバレるわ、で最終的に頭に思いつく(というか最初の方からずっと言ってる)選択肢が「死のう!」しかなく、そのままの勢いで突っ走っていくという心中物。たぶん今でいう中学生とかそこらの年齢のカップルだと思うのですが、初めての恋が道ならぬ恋で、その解決策が死ぬしかない、という思い切りの良すぎる設定の狂ってる感が最高で、その疾走感に約3時間、一瞬もダレることなく観ることができました。おそらく「油店の段」の前にあったであろうお染と久松の恋の顛末みたいなものがもっと見れたらよかったのですが、そこは恋じたいも幼いというか、特に理由もなく(久松はお染のえくぼが好きらしい)好き好き言って自滅的に心中に向かってる感じが儚いというか、かなしみ深い感じで味がありました。善六というキャラクターのコミカルな立ち回りもよく、途中太夫の方がアドリブでセリフにPPAPとか『君の名は。』を差し込んだりしていて面白かったです。

 

 

そして終演。あまり売店とかそれに類するものがないので、観た方はもう一斉にただ帰る、という感じで、僕も地下鉄難波駅の方までぶらぶらと歩き、昔この辺りでバイトしていた頃休憩時間に行ってた飲食店の開店状況などを確認しつつ界隈の汚さに勝手にゼツボー感を募らせたりしながら帰宅しました。
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来ている方の客層について。全体的に観に来ている方は年齢層が高めで、おそらく65歳以上の方が全体の半数近くを占めており、その下に端唄とか三味線やってそうな和服姿のマダムや、大学で文楽の研究とかしてそうなおじさん、絶対落語か何かそのへんの業界のそこそこ偉そうな人、家族連れ(といっても子供は20歳くらい)などが続くという感じ。40代のおじさん的な人たちが一番いなくて、僕のような20代で単身観に来ている男の人は意外と数人見かけることができました。人の入りは上でも書きましたが7割から8割くらい。しかしどう考えても劇場が広すぎるので、文楽人気ないな、とかいう感じは一切なく、来ている人は一部寝息などが聞こえる瞬間はあったものの(昼の部)、本当に好きな人が楽しみに観に来ているという感じで、全体的にテンションは盛り上がってる感じ。和気藹々とした雰囲気はホール前の休憩スペースにもあふれており、ソファもいい感じで、劇場自体の居心地は終始よかったです。心配していたドレスコードというか、こんなしょうもない引きこもりの全身ユニクロ人間が行っていい場所なのか、という点については心配なく溶け込める感じでしたが、一切DQNを含有していない質の高い場のオーラに、自分の中に勝手に「ちゃんとしないと・・・ちゃんとしないとこんな場所に来ちゃダメだ・・・・。」という自責の念が生まれ、寝るまで引きずったということだけ記しておきたいと思います。ホール前の休憩場にあれだけたくさんの大阪のおばちゃんがひしめいていて、口々に話しているのにどの人のおしゃべりもはっきりとは聞こえてこない、というのはなかなか斬新な、すごい体験でした。ソファの座り方ひとつでさえ自然と背筋が伸びるような・・。
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最後に初心者の観劇のしやすさについてですが、劇場の上部(上の写真の鯉と額の飾られた下あたり)に字幕が表示されているのと、1階2階にそれぞれあるスペースで650円のガイドブックを販売しており、そこに全演目のあらすじと別個で床本という台本のような小さな冊子がついていて、上映中も夜の場面でない限り場内は明るいので、それを手元に見ていれば言葉使いはもちろん江戸時代とか義太夫節とかのアレなのですが、結構すんなりと世界に入っていくことができ、かなり観やすいです。そして意外と慣れたら字幕を見ずに舞台の人形を観ていた方が話が入ってきたりします。なのでガイドブックを先に買って入ることさえすれば明日にでも見に行って大丈夫だと思います。床本集はふりがなもない、本当にセリフだけがびしっと書かれたストロングスタイルで、こういうの岩波文庫とかでほしいと思っていた自分としてはかなりうれしいおまけでした。

またイヤホンガイドというものも有料で貸し出しされていて、僕は美術館かよと思って借りませんでしたが、ちらほらと借りている方もいらっしゃり、ネットを参照する限りでは結構あった方がいいもののようです。また、従業員の方もかなり多いので、館内で迷うようなことはまずないと思われます。

以上国立文楽劇場で開催された初春文楽公演のレポになります。劇場の変な広さにこそマイナスを感じてしまいましたが、文楽自体は非常におもしろいものであることがわかったので、4、7、11月にある公演も、できる限り見に行きたいと思います。

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