「Various Times」対訳

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

Alright we’re going to go back
to 1940
No money
And I live in Berlin
I think I’ll join up
Become a camp guard
No war for me
An old Jew’s face dripping red

I hate the prisoners
I hate the officers
They’ve no fight
I think I’ll join
The red rose
Leave Belsen
I’ll go to Switzerland

A human resistor
Don’t think, ask him

Present :
I don’t like them
said Ian
in his black-out threat
I think I’ll drop out
Become a no-man
And live my rules
But I’m the sort that gets
out of the bath with a dirty face

Everyone I meet’s the same now
No brains or thought
A good case for the systems we like – we get

Human race
Various times
Don’t think, ask him

Future:
1980
Black windows
And smokey holes
My head is full of lead
And the beer is so weak
Since they got rid of time around here

Dr. Doom fresh from Salem
And the witch trials
The Lathe of Heaven
Time mistaken
Three places at once

Human race
Don’t think, ask him

Ask him
Ask him

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

オールライト
それじゃあみんなで1940年に戻ってみよう
金はなく
俺はベルリンに住んでいる
俺は収容所のガードマンにでもなろうかなと思っている
戦争なんて他人事
年老いたユダヤ人の血まみれの顔

俺は収容者を憎む
俺は士官どもを憎む
やつらは戦わない
俺は参加しようと思う
赤い薔薇
ベルゲン収容所を離れ
俺はスイスに向かう

人間の抵抗
考えるな、彼に従え

現在:
「僕は彼らが好きじゃない」
イアンが言った
電気を止められることを恐れながら
俺はドロップアウトしようかなと思う
何者でもない人間になる
そして自分のルールに従って生きる
でも俺は顔も洗わず風呂から出る人間だ
俺が会うやつはみんな似通っている
頭が空っぽで何も考えていない
それは俺たちの好きな−手に入れた−システムにとっては都合のいいこと

人類
様々な時代
考えるな、彼に従え
未来:
1980年
黒塗りの窓
胸焼け
頭の中は鉛でいっぱい
くそまずいビール
彼らがこのあたりから時間を奪って以来ずっと

Dr.Doom
セイラムから産地直送
魔女裁判
天のろくろ
時間の失敗
3つの場所の並在
人類

思考を止めろ、彼に従え
彼に従え
彼に従え

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

「Various Times」はThe Fallの2ndシングル(Bingo Master〜をEPとする場合は1stシングル)で、「It’s A New Thing」との両A面の扱いになっています。歌詞にある「Said Ian」のIanはエコバニのイアン・マッカロクのことで、なんとこの時期イアン・マッカロクはあのジュリアン・コープと一緒にThe Fallのローディーとして働いていたのだとか。
今回訳に挑戦するまでMark E Smithがこんなにナチスのこととかに関心があったとは知らなかったのですが、曲はナチス的なものに惹かれていく人のことを風刺を込めて過去(ナチス当時)・現在・未来の3つの視点から歌ったもので、結局いつの時代もバカばっかりなのだから、いつの時代もナチスが現れる恐れはある、みたいな感じの曲になっています。
Dr.Doomはアメコミに登場するキャラクター。セイラムは魔女裁判で有名なアメリカの田舎町です。天のろくろはル・グウィンのSF小説。
歌詞は現在まで面々と続くワンフレーズの呪文みたいな言葉を積み重ねていくスタイルが早くも出現している感じで引き込まれます。

「Last Orders」対訳

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

Everybody’s telling me to listen up
They’re trying to run my life for me
I’m gonna tell I’ll tell ‘em
Their term’s up

They’ve just given me their
Last orders
Last orders
Last orders
Last orders

Everyone’s in prison or in the army
All sincere, all phoney
Reading all the books, taking in the news

They’ve just given me their
Last orders
Last orders
Last orders
Last orders

I don’t dig their dead-end options
I’m not hurt by their rejections
I’m no sell-out, and they’ve found out

They’ve just given me their
Last orders
Last orders
Last orders
Last orders

Everybody’s telling me to listen up
They’re trying to write my life story
Joke’s on them
It’s the end of the rap

They’ve just given me their
Last orders
Last orders
Last orders
Last orders

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

みんなが俺に話を聞けと言う
彼らは俺の人生を俺のために走らせようとする
俺は俺の言いたいことを言ってやる
彼らの出番はもうおしまいさ

彼らはちょうど俺に告げた
最終宣告
最終宣告
最終宣告
最終宣告を

刑務所に入っている連中と軍隊に入っている連中
両方誠実だし両方嘘つきさ
本ばかり読んで、本のことばかりしゃべる

彼らはちょうど俺に告げた
最終宣告
最終宣告
最終宣告
最終宣告を

俺は彼らのドン詰まりの選択肢を選んだりしない
俺は彼らの拒絶に胸を痛めない
俺は自分を安売りしない
そして彼らは気づくだろう

彼らはちょうど俺に告げた
最終宣告
最終宣告
最終宣告
最終宣告を

みんなが俺に話を聞かせようとする
彼らは俺の人生のストーリーを書こうとしている
ふざけるんじゃないぜ
それで話はおしまいさ

彼らはちょうど俺に告げた
最終宣告
最終宣告
最終宣告
最終宣告を

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-21-14-06-32

これもThe Fallの最初期の楽曲で、「Stepping Out」同様コンピレーション『Short Circuit – Live At The Electric Circus』に収録されています。どうもこの音源がThe Fallのデビュー音源ということになるらしく、他にもJoy Divisionの最初の音源が入っていたりと、こちらのコンピはこちらのコンピでなかなか歴史的な価値のある音源になっている模様で、他にもジョン・クーパー・クラークやバズコックス、あとThe Dronesにスティール・パルスの初期音源が収録されています。
こちらの曲は「Dresden Dolls」と同じく演奏も歌詞(初代ベーシストのTony Friel氏によるものとのこと)もめちゃくちゃストレートにパンクで、個人的にもなかなか好きな曲です。

「Stepping Out」対訳

 

 

 

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

I used to believe everything I read 

But that’s all changed and now I’m stepping out
That’s all changed and now I’m
Stepping out

I used to stay in the house and never go out
But now I’m stepping out, stepping out
I used to stay in the house and never go out
But now I’m stepping out, stepping out, stepping out

I used to stay on my feet all 24 hours
But now I’m stepping out, stepping out
The light’d be on 24 hours
But now I’m stepping out, stepping out, stepping out

So people get ready, strip down your houses
Cause I’m stepping out, stepping out
So people get ready, strip down your houses
Cause I’m stepping out, stepping out, stepping out

I used to believe everything I read 
But that’s all changed ‘cause now I’m stepping out
That’s all changed cause now I’m
stepping out

Stepping out

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

俺は昔読んだものをすべて信じていた
しかしそれはすべて変わって
今俺は外に出かける
すべては変わって
今俺は外に出かける

俺は昔ずっと家にいて外に出なかった
しかし今俺は外に出かける、外に出かける
俺は昔ずっと家にいて外に出なかった
しかし今俺は外に出かける、外に出かける、外に出かける

昔俺は24時間立ち尽くしていた
しかし今俺は外に出かける
24時間光に満ちている
しかし今俺は外に出かける、外に出かける、外に出かける

家から出る準備はいいか?
俺は外に出ている、外に出ている
家から出る準備はいいか?
俺は外に出ている、外に出ている

俺は昔読んだものをすべて信じていた
しかしそれはすべて変わって
今俺は外に出かける
すべては変わって
今俺は外に出かける

外に出かける

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

『Short Circuit – Live At The Electric Circus』というコンピや、いくつかの初期のライブ盤にだけ収録されている初期音源です。歌詞は初代ベーシストのTony Frielが書いたと言われていて、めちゃくちゃ中身の薄いというか、やっぱりこの時代のパンク、っていう感じの歌詞(パンクに出会って人生観変わった風のストーリー)になっていると思います。取り立てて取り上げることもない曲ではあるのですが、最近では1stアルバムのリイシュー盤の2枚組やSecret Recordsから出されたコンピ『13 Killers』等、比較的入手しやすい音源にも収録されることが増えており、僕も今回この翻訳作業を通じて初めてアルバム未収録曲だったということに気づかされました。The Fallのこういう側面も悪くないと思います。

「Repetition」対訳

 

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

Right noise
We’re gonna get real speedy
You gotta wear black all the time
You’re gonna make it on your own

Cos we dig
Cos we dig
We dig
We dig repetition
We dig repetition
We’ve repetition in the music
And we’re never going to lose it

All you daughters and sons
who are sick of fancy music
We dig repetition
Repetition on the drums
and we’re never going to lose it

This is the three R’s
The three R’s:
Repetition, Repetition, Repetition

Oh mental hospitals
Oh mental hospitals
They put electrodes in your brain
And you’re never the same
You don’t dig repetition
You don’t love repetition
Repetition in the music and we’re never going to lose it

President Carter loves repetition
Chairman Mao he dug repetition

Repetition in China
Repetition in America
Repetition in West Germany
Simultaneous suicides

We dig it, we dig it
We dig it, we dig it

Repetition, repetition, repetition
Repetition, repetition, Regal Zonophone

There is no hesitation
This is your situation
Continue a blank generation

Blank generation
Same old blank generation
Groovy blank generation
Swinging blank generation

Repetition, repetition, repetition….

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

正しい騒音
俺たちは速度を上げていく
お前は常に黒い服を着なければならない
お前はそれをお前自身で作り出さなければならない

俺たちは掘り返す
俺たちは掘り起こす
俺たちは掘り起こす
俺たちは反復を探究する
俺たちは反復を探究する
俺たちは音楽の中で反復する
そして決してそれを失うつもりはない

すべてのあなたの娘と息子
ファンシーな音楽にうんざりしている人々
俺たちは掘り返す
俺たちは掘り返す
俺たちは繰り返しを探究する
俺たちは繰り返しを探究する
ドラムの反復
そして決してそれを失うつもりはない

これが3つの「R
3つの「R」:
反復・反復・反復(Repetition)

精神病院
精神病院
やつらはお前の頭に電極を当てる
そしてお前はもう2度と元に戻れない
お前は反復を探究しない
お前は反復を愛さない

音楽の中の反復を決して失うつもりはない

カーター大統領は反復を愛している
毛沢東は反復を掘り起こした

中国における反復
アメリカにおける反復
西ドイツにおける反復
同時自殺

俺たちはそれを掘り起こす
俺たちはそれを掘り起こす
俺たちはそれを掘り起こす
俺たちはそれを掘り起こす

反復・反復・反復
反復・反復・リーガル・ゾノフォン

そこに躊躇はない
これがお前の置かれた状況
ブランク・ジェネレーションを突き進め

ブランク・ジェネレーション
マンネリ化したブランク・ジェネレーション
グルーヴィーなブランク・ジェネレーション
スイングするブランク・ジェネレーション

反復・反復・反復

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

 The Fallの音楽哲学みたいなのがヒネりながらもストレートに歌われている(と思われる)曲です。このRepetitionという単語が曲者で、ニュアンス的には反復性ということから転じて日々の習慣とか無意識にやってしまっていることとか、そういうものを全部含めた総括的な言葉だと思うのですが、うまく日本語にそれに当てはまる単語がなく、”習慣的反復的恒常志向型自動規律性”みたいなことなんだろうなと思いながら翻訳しました。常にそういうことの中から、しかし常にそういうことを繰り返すことで何かを見つけていけ!ということなのだと思うのですが、やっぱり英語の意味を日本語で考えるのは難しいです。
後半出てくる「西ドイツにおける・・」のあたりのくだりはこの歌が歌われた頃に起きたドイツの赤軍ことバーダー・マインホフのメンバーが相次いで自殺した(同時?)事件についてを指しているそうで、実際MES氏はインタビューで何度かこのグループのことを言及しているので、おそらくその通りなのでしょう。カーター大統領が反復を愛しているというのは保守的だったことを指していて、毛沢東が反復を掘り返したというのは秩序のない中国にそういったマオマオした党派精神的なものを注入したということを示唆しているのだと思います。そのあと出てくるリーガル・ゼノフォンというのはなんてことはないレーベル名で、有名どころではProcol Harumなんかが1stアルバムをリリースしたレーベルです。そういった時代の音楽を反復(コピー)しつつも、そこに何らかの新しいものを創り出せ、というようなことを意味しているのかもしれません。ただの言葉遊びのような気もしないでもないですが・・。
最後の「ブランク・ジェネレーション」のくだりから一気に演奏がパンクっぽくなりますが、このブランク・ジェネレーションというフレーズはもちろんリチャード・ヘルのアレです。途中何の脈絡もなく入る精神病院のくだりについては当時MES氏が居を構えていたアパートが精神病院の真横だったからそれのことじゃないか、という身も蓋もない考察がなされていますが、しかし反復を愛せなくなる、というのは電気ショックで頭をパーにされ何もできなくなった人のことを取り上げて、そういった医療を発展させた左派的なものに対する、お前らはぶち壊すだけで、何もできねーじゃん、文化っていうのは反復されてなんぼなんだよボケ!というメッセージなのかもしれません。いずれにせよこの曲含め初期の楽曲は狭いライブハウスの目の前にいる熱狂的なファンに向けての直線的なメッセージ、という感じがして、すごい熱い・・(のちの「Bonkers In Phoenix」みたいな曲には一切含まれていない)人間的・パンクシーン的にキボーに満ちたものを感じてとてもいいです。今回歌詞を訳してみてどんどんこの時代のThe Fallが好きになっています。

「Bingo-Master’s Break-Out!」対訳

 

 

 

Two swans in front of his eyes
Colored balls in front of his eyes
It’s number one for his Kelly’s eye
Treble-six right over his eye

A big shot’s voice in his ears
Worlds of silence in his ears
All the numbers account for years
Checks the cards through eyes of tears

Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!

All he sees is the back of chairs
In the mirror, a lack of hairs
A light realm, which he fills out
Hear the players all shout

Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!

A glass of lager in his hand
Silver microphone in his hand
Wasting time in numbers and rhyme
One hundred blank faces buy

Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!

Came the time he flipped his lid
Came the time he flipped his lid
Holiday in Spain fell through
Players put it down to

Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!
Bingo-Master’s Breakout!

A hall full of cards left unfilled 
Ended his life with wine and pills
There’s a grave somewhere only partly filled
A sign in a graveyard on a hill reads

Bingo-Master’s Breakout!

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

22」が彼の目の前に映っている
色のついたボールが彼の目の前に映っている
それは彼のケリーの目のための一級品
3つの「6」がすぐそこにある

ボスの声が彼の耳に響く
静寂の世界が耳の中に広がる
すべての数が人生を構成している
濡れた瞳でカードをチェックする

ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走

彼が見るのは椅子の背面だけ
鏡の中、無くなった髪
拡がっていく、光の領域
プレイヤーたちの叫びを聞きながら

ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走

彼の手にはラガーのグラス
彼の手にはシルバーのマイクロフォン
数字を読み上げ、韻を踏みながら浪費する時間
100人のうつろな人々がビンゴを買う

ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走

彼が怒り狂う時が来た
彼が怒り狂う時が来た
スペインの休日は失敗に終わった
プレイヤーはカードを置いた

ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走
ビンゴマスターの暴走

カードでいっぱいのビンゴホールは捨て置かれ
彼の人生はワインとアンフェタミンに沈んだ
墓石のまばらに並ぶ墓所
丘の上にある墓碑にはこう刻まれている

ビンゴマスターの暴走!

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-20-13-06-12

 The Fall初期の楽曲の中でもクセのある楽曲の1つで、訳してみて歌詞もめちゃくちゃクセがあって僕の英語力ではほとんど心が折れかける難しさでした。ビンゴの用語を使っているのもあれですが、例えば「All the numbers account for years」というフレーズなんかはビンゴの数字だけを読み上げてる自分の人生を皮肉ってるビンゴマスター(数字を読み上げる人のことで、イギリスとかにはそれ専門のBingo Callerと呼ばれる人たちがいて、そのトーナメントなんかもあるようです。)のことをうまく表していると思います。
「In the mirror, a lack of hairs/A light realm, which he fills out」のくだりも、ビンゴホールの鏡に映る、客の禿げた頭と、毎朝鏡なんかで見る自分の歳を経て禿げ上がっていく頭を重ねてるのだと思いますし、light realmというのも、読み上げた数字が点灯するビンゴホールの電光掲示板と、自分の頭の中に広がっていく”Breakout”への衝動みたいなものが重ねてあるのでしょう。「Checks the cards through eyes of tears」というのは自分のビンゴカードをチェックするのと、自分の人生を振り返るということをギャンブル用語でうまくつなげてあるフレーズなのだと思います。ただ1個「Holiday in Spain」というフレーズだけは何のことかさっぱりわからず、普通に訳してしまいましたが、もしかするとこの舞台がスペインのビンゴホールで、失敗したというのはスペインまで遊びに来てビンゴをしているお客さんの立場からのフレーズなのかもしれません。同名の映画があることもわかりましたが、とにかくこのフレーズだけは何のつかみどころもありませんでした。3つの6はオーメン的な意味(それが近づいているということ)だと思いますし、Breakoutは激情でも発狂でもなんでもよく、とにかく「やってられっか!!!」となって暴走してしまったということを表しているようなのでここではシンプルに暴走にしています。「Two Swan」とか「Kelly’s Eye」とかはビンゴ用語なので気になる方は調べてみてください。資料としてこの時代のビンゴ動画も添付しておきます。

「Psycho-Mafia」対訳

 

 

 

Psycho-Mafia


Spitting on the streets
Numb heads and feet
Nowhere to go
Won’t let us in the shows


‘Cos we talk about love
And the Psycho-Mafia
I’m talking ‘bout love
And the Psycho-Mafia


No soul in the discos
No rock in the clubs
Won’t let us in the pubs
And the city joys


Going on about love
And the Psycho-Mafia
I’m talking about love
And the Psycho-Mafia


Psycho-Mafia
Psycho-Mafia
‘cho Mafia
‘cho Mafia


Spitting on the streets
Shot heads and teeth
Our eyes are red
Our brains are dead
Going on about drugs


Psycho-Mafia
I’m talking about love
Psycho-Mafia

 


 

通りに唾を吐きながら
鈍い頭と足で
行く当てもなく彷徨う
俺たちを見世物にしないでくれ


何故なら俺たちは
愛について話してる
サイコ・マフィア
俺は愛について語ってる
サイコ・マフィアだから


魂のないディスコ
ロックのないクラブ
パブになんか連れて行かないでくれ
都会の遊びにもうんざりだ


愛の話を続けよう
サイコ・マフィア
俺は愛について喋ってる
サイコ・マフィア


サイコ・マフィア
サイコ・マフィア
コ・マフィア
コ・マフィア


通りにに唾を吐きながら
ブッ飛んだ頭と歯で
俺たちの目は充血して真っ赤
脳みそは機能不全


ドラッグの話を続けよう
サイコ・マフィア
俺は愛の話を続けてる
サイコ・マフィア

 


The Fallの初期の代表曲の1つである曲です。歌詞は思いの外ストレートで、この「Psycho Mafia」というフレーズには当時のThe Fallのファンを呼んだものだとか、精神医療に対する怒りを表現してるとか、当時Sedgley Parkという場所のバス停あたりでたむろしてた実在のストリートギャングへのトリビュートソングだとか、いろんな説が上がっていますが、MES氏御本人が「ストリートギャングへのトリビュートソングのつもりで作詞したけど、書いた時の自分の精神状態が反映されたのか、不穏なムードが漂っている。」と言っているようなので、素直にその言葉に従いたいと思います。

「愛について語っている」というのはようするに当時そのあたりにいたヒッピーとかの集団が危険薬物を摂取しながらぽわぽわした内容の事を喋っていたことを揶揄しているようで、要するにバス停でたむろして、怪しげな顔つきで薬吸いながら愛がどうとかうんざりするような話をしている連中、それが俺らで、それが俺だぜ、という内容の歌詞なのだと思います。でもそうやってそういうものをバカにしながらも、その中に自分も入れちゃったり、それを一見いかにも前のめりな若者の主張!みたいなノリの演奏で歌ったり、ちょっとは本当にそういうのをかっこいいと思っていそうなところがMES氏なりのユーモアなのだと思います。バス停は公共の場だぞっ!とかそういうキモいことは言わないわけですね。それは行き場のない若々しさでもあるとは思うのですが、一方鬱屈を発散させようというA面的な若々しさ、抗議の叫びにも似た分かりやすいパンク的疾走感もあって、77年とか9年の時点で「No soul in the disco」で「No rock in the club」ならそりゃスレてこういう音楽表現になるわなという感じです。

「Dresden Dolls」対訳

 

「Dresden Dolls」(1977)の歌詞の訳です。

 

これからちょいちょい全曲目指して載せていこうと思います。

よろしくお願いします。ウッスウッス

 

 

「Dresden Dolls」(※作詞はUna Bainesによる)

 

Dresden dolls are back in style
with a clockwork walk and a backward smile
Dresden dolls don’t hear a sound
They’re programmed to jump up and down

Up and down
Round and round
Tapping feet to formless sound

Dresden dolls and Nazi boys
Dance arm in arm to formless noise
Up and down
Round and round
Tapping feet to formless sound

On plastic bars they sit and pose
Count their fingers with their toes
They sit and smile and drink and grin
Then they all get up again

Up and down
Round round
Tapping feet to noiseless sound

Dresden dolls are back in style
With a clockwork walk and a backward smile
Up and down
Round and round
Tapping feet to formless sound

 

 

陶磁器人形がチクタク動く

時計仕掛けの微笑みで

人形には何も聞こえない

作られた通りに飛んだり跳ねたり

飛んで跳ねて

くるくる回って

ちぐはぐにタップを踏んで

陶磁器人形とナチスの少年たち

腕を組んでめちゃくちゃにダンス

飛んで跳ねて

くるくる回って

ちぐはぐにタップを踏んで

プラスチックのバーに腰掛けて

つま先で指を数える

座って微笑み

立ち上がってまたにこりと笑う

飛んで跳ねて

くるくる回って

とても静かにタップを踏んで

陶磁器人形がチクタク動く

時計仕掛けの微笑みで

飛んで跳ねて

くるくる回って

ちぐはぐなタップを踏んで

 

「Dresden Dolls」はマニアックな曲で、あぶらだこでいうと変態クラブのギブミーチョコレートみたいな曲です。
オリジナルのアルバムやシングルには収録されておらず、このyoutube動画にジャケが写っているBackdropというコンピレーションや、Live 77というライブ盤などに収録されています。
作詞は当時のMES氏の彼女でキーボード担当だったUna Baines氏によるもので、他にも2、3曲歌詞を手がけたことがあるようですが詳細は不明です。
いずれにせよMES氏の歌詞とは違い言いたいことがちょー直線的でいかにも当時のローカルなポストパンクバンドっぽい感じがビンビンに漂っていて悪くないと思います。

歌詞にはナチが言及されていますが、MES氏の自伝にこの当時バンドのメンバーがナチっぽいファッションをしてステージに上がろうとした、みたいなことが書かれていたので、そういうサブカル的な嗜好が当時のバンドにはあったのかもしれません。いずれにせよこの曲を録音したであろう77年のラインナップはすぐに消滅してしまったので詳しいことは謎です。

曲調も1stアルバムからどこか奇怪でポストパンク的だった初期の他の楽曲群と違い、わりとストレートなロックンロールという感じになっていて、そういう退屈さがおそらく(これはこれで好きですが)アルバム・シングル収録を見送らせたのではないかと思います。