【音源紹介】 F5 Complete – Goodnight, Birthday Girl / F5 Complete

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イリノイ州の学生vaporwaveアーティストによる4日振りの新作。4日前にリリースされた1stアルバム、F5 Complete – Grant Is Uglyが気に入ったので、Facebookで本人を探し、感想と「次のアルバムが出たら絶対買うよ!」というメッセージを送ったところ、まさかの4日というスパンで新作が発表された。
前作同様曲が途中で途切れる、なんだか似た様な展開がダラダラ続く、といったスカムさは相変わらずだが、今作は前作よりも幾分アンビエント・テクノ的な色味が増し、vaporwaveというよりはより90’sのアシッド・ハウス的な空気感にも接近した作風となっている。1つ1つの音色に対するこだわりが一切感じられない、ただ適当に鳩に餌をやるように音をばらまいているだけ、といったトラックメイキングは普通のミュージシャンであればご法度であり、おそらくミュージシャン本人の感性からして許されない部分であると思われるが、F5 Completeは今作でもその作風を貫いており、そのプリミティヴな魅力は健在(というより、4日しか空いていないのでブレるはずもないのだが)。
Bandcampを見てもらえばわかる通り、F5 CompleteはThe Greatest Hitsという学生の友達グループによる内輪のお遊戯会的なバンドをその母体に持っており、F5 Completeは「vaporwaveっぽい音楽を作って特定の友達に聴かせる。」をコンセプトに始まったソロプロジェクトと見られるのだが、その素人然とした、すべてを「◯◯っぽさ」だけで作っているノリと勢いがかえってまともに音楽として作ろうとしている一派の作った音楽よりもvaporwaveとして魅力がある、という点に良さの全てがある。あくまで素人の大学生の趣味のようなプロジェクトなのでどこまで続くのか、果たしてクオリティを維持できるのか、そもそも続ける気があるとか、クオリティがあるとかいう次元で音楽を作っているのか、こんなものを完成した音楽と呼んでいいのか、疑問も危うさも聴けば聴くほどたくさん感じるが、末長く見守っていきたいと感じさせてくれるだけの愛らしさのある音楽である。たいそれた話になるが、これが誰かのために何かを作るのと、自分のためだけに何かを作ることの違いなのだと感じる。ちなみにこのアルバムはEric Marshallという人物に宛てて制作されている。

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【音源紹介】 F5 Complete – Grant Is Ugly / F5 Complete (Christian Anderson in A E S T H E T I C VAPOR WAVE MODE)

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The Greatest Hits
というバンドのドラマー、Christian Andersonによるソロプロジェクト。
プロジェクト名からしてふざけているが、バンドのFacebookやSoundcloudを見る限り、Christian君含むメンバーは全員イリノイ州に住んでいる高校生(もっと若いかも)で、このバンド活動自体仲間内の遊びの1つに過ぎないようだ。Bandcampの作品ページにはこのアルバムについて”I made this in 3 hours.This album is dedicated to James Lipinski.”と書かれており、本当にその通りの作品なのだろうと思われるが、James Lipinski君以外の赤の他人が聴いてもvaporwaveとして十分鑑賞に耐えうる作品となっている。おそらく収録曲も曲順通りに作られたのだと思われ、アルバム後半になるほど飽きたのか曲名やアレンジがテキトーで雑極まりないものになっていくが(「Your Mom Has No Aesthetics」「グラントは醜いです」などは曲名からして完全に内輪ネタだし、「uragara」と「グラントは醜いです」は完全に同じ曲)、それでもそのスカムな味わいがvaporwaveというジャンルの雰囲気にマッチしていて、”そういうもの”として聴くことができる。vaporwaveは今本当にそれで商売をしようとしているミュージシャンやレーベルが無数に乱立しているが、本来はこのように誰でも簡単に作れるような、音楽にもなっていないような音楽であるところにそのプリミティブな魅力があるように思える。そういうことを思い出させてくれる好盤。
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【音源紹介】The Great Hard-Core Odrb / Lues de Funes

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スロバキア・ブラチスラバ出身の3人組ハードコアバンド、Lues de Funesが91年にリリースした唯一のアルバム。リリース元は同国の民主化後初となるインディーズレーベル(らしい)のZoon Recordsで、レーベルとしてもこのアルバムが最初のリリースとなった模様。

内容はラジオの騒音からYoung Marble Giants風のキーボード、口笛からファンファーレまで、様々な音源が躁鬱的な間隔で挿入された変態的なハードコアで、一応デス声やスラッシーなギターリフなども入ってはいるものの、全体的な印象としては民族色の強いアンダーグラウンドなスカムコア(ほぼロック)といった感じ。しかしながら当時の国家的な環境がそうさせたとおぼしきヘロヘロの音質の中をパタパタと聴き馴染みのあるテンポで駆け抜けていくドラムと、それに乗って猪突猛進するサウンドの味わいは完全にハードコアのそれであり、本流から逸れきっているわけではないというところに大きな魅力を感じる。
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